軍事的に予備(予備隊)は重要なものです。
予備と聞くと、「余り」っぽいイメージが一般ではありますが
組織運用上この予備の確保は絶対必要であり
稼働率100%にしてはなりません。
というのも軍事組織というのは必ず欠損(戦闘損耗)するのが常であり
稼働率100%を前提として行動してはいけないのです。
アグレッサーなので各国の軍事教範を読む機会は多いのですが
本質的に軍事教範というのは各国とも似たようなものです。
もともとフラーの戦術原則をもとに作られており
各国のお国柄に合わせてドクトリンが少し違うくらいです。
例えばアメリカでは物量の原則、ソ連では殲滅の原則がありますね
資源が少ない我が国のドクトリンは総合戦闘力・経済・連携となります。
予備隊の項目については当然各国とも重要な存在として、臨機応変・追撃部隊としての活用を書いていますが、実はロシアの教範だけ具体的に数値が載っています。予備隊は重要な存在であり、十分な数を保有するべきとは書いてありますが、予備隊は多すぎると遊軍を作る結果となるため、用意すればいいというものではなく正面作戦にも戦力を配分しないといけないわけですから、その用兵には指揮官のセンスがかなり関係してきます。
さてその気になるロシアの一文は
「第1梯隊に2/3、第2梯隊に1/3、全体の1/9を予備隊に」とあります
計算が合わないのですが、原文ママです
これを私はとりあえず部隊を60%、30%、10%に分けると認識しています
実戦でこれを試してみることにし、60%を第1線配備に、30%を本部勤務として指揮所活動や糧食炊事、補給業務にし、10%に仮眠または食事を取らせてみたところ、非常に疲労の蓄積が少なく戦闘を継続することが出来ました。
同じく平常勤務においても60%に正面任務を与え、30%を向上業務として事務所勤務、10%に年次休暇(一般でいう有給)を取らせるという運用を行ったところ、代休や年次についてもほどほどに消化し、ストレスも軽減できているのか、幸いにも私の部下は一度も服務事故を起こしておりません。(おかげで私はいまだ注意処分すら受けたことがない)
この比率が、理論的に求められたものなのか、それとも経験則によって求められたものであるかは定かではありませんが、少なくとも経験則としての信頼性は高いものとして私は同期に採用を薦めています。もしかしたら一般企業にも適用できるかもしれないので管理職の人はぜひ試行してみてはいかがでしょうか?