アリス商店

アリスの雑記帳

テロ等準備罪を読んでみる

 

 

https://news.nicovideo.jp/watch/nw2755065?ref=video_watch_html5_marquee

さて、日弁連曰く「どんな答弁があろうと、条文を普通に読んだら、一般の市民にも適用されることがわかる」とのことなので見てみます。

 

 

テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画)
第六条の二
  次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

  別表第四に掲げる罪のうち、死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められているもの五年以下の懲役又は禁錮

  別表第四に掲げる罪のうち、長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められているもの二年以下の懲役又は禁錮

2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又はテロリズム集団その他の組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を二人以上で計画した者も、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、同項と同様とする。

3 別表第四に掲げる罪のうち告訴がなければ公訴を提起することができないものに係る前二項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

4 第一項及び第二項の罪に係る事件についての刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第百九十八条第一項の規定による取調べその他の捜査を行うに当たっては、その適正の確保に十分に配慮しなければならない。

 

(ここまで条文)

 

さて、まず法律文を読む場合は単語の定義をしっかりしなければなりません。

ここで重要なのは「テロリズム」です。我が国ではテロ(テロリズム)をこのように解釈しております。

 

政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で多数の人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊する行為

 

ここに出ていますが

「多数に人を殺傷」

「重要な施設や物を破壊」

です。

普通に条文を読むと

ブラック企業の批判ビラを配ること」が人を殺傷したり、器物損壊に当たるとは思えないのですが・・・・・?

日弁連はどこを読んでいるのでしょうか?

 

さて、ここで別表をちゃんと載せないのは一般国民をだますためです。

ちゃんと載せておきましょう

 

一 別表第三に掲げる罪(次に掲げる罪を除く。)

イ 第十一条(犯罪収益等収受)の罪
ロ 刑法第七十七条第一項(内乱)の罪(同項第三号に係る部分を除く。)並びに同法第八十一条(外患誘致)、第八十二条(外患援助)及び第百九十八条(贈賄)の罪
ハ 爆発物取締罰則第一条(爆発物の使用)の罪
ニ 児童福祉法第六十条第二項(児童の引渡し及び支配)の罪(同法第三十四条第一項第七号又は第九号の違反行為に係るものに限る。)
ホ 出入国管理及び難民認定法第七十条第一項第一号(不法入国)、第二号(不法上陸)及び第五号(不法残留)並びに第二項(不法在留)の罪(正犯により犯されたものを除く。)、同法第七十四条の二第一項(集団密航者の輸送)の罪、同法第七十四条の六(不法入国等援助)の罪(同法第七十条第一項第一号又は第二号に規定する行為に係るものに限る。)並びに同法第七十四条の六の二第一項第一号(難民旅行証明書等の不正受交付)及び第二号(偽造外国旅券等の所持等)並びに第七十四条の八第一項(不法入国者等の蔵匿等)の罪
ヘ 麻薬特例法第七条(薬物犯罪収益等収受)の罪
 
別表第3にあげる罪は単体でも犯罪ですが「テロ目的で行われたら」
この「テロ準備罪の共謀罪」が成立するというロジックです。
 
上記の罪は、どちらかといえば我が国では珍しい罪であり
一般の人が魔がさした程度で起こす犯罪ではないでしょう。
 
ホ 出入国管理及び難民認定法第七十条第一項第一号(不法入国)、第二号(不法上陸)及び第五号(不法残留)並びに第二項(不法在留)の罪(正犯により犯されたものを除く。)、同法第七十四条の二第一項(集団密航者の輸送)の罪、同法第七十四条の六(不法入国等援助)の罪(同法第七十条第一項第一号又は第二号に規定する行為に係るものに限る。)並びに同法第七十四条の六の二第一項第一号(難民旅行証明書等の不正受交付)及び第二号(偽造外国旅券等の所持等)並びに第七十四条の八第一項(不法入国者等の蔵匿等)の罪
 
おそらく反対派が多いだろうなぁというのがこの部分でしょう。
 
島国である我が国に、密入国するのは結構難しいものです。
ましてや偽造パスポートなどを作れる人が密入国する価値は低いです
ということは当然支援者がいるわけですね。
 
テロリスト組織については大きく3つに分かれます。
 
1つ目はもちろんテロ当事者及びテロに使用される武器等の危険物
2つ目はそれを密入国・密輸する組織
3つ目はそれを受け入れる活動拠点
 
テロは比較的大規模各所に同一多発的に起こす必要がありますが
一気にテロリストを我が国に上陸させることはできませんので
少しずつ上陸してある程度数が揃うまで潜伏する必要があります。
 
今回の共謀罪が成立した場合、一番焦点となるのは3つめの「活動拠点」です。
潜伏と言いましたが、これは結構気の長い話です。
実際には国家計画なのでそもそも1世代で完結するとも限りません。
ということは我が国で数年以上も潜伏するには一般社会生活を送り必要がありますので
宿泊場所、武器の保管、仕事の斡旋をする組織的な受け入れ拠点が必要になります。
 
この拠点がこれからは「テロリストと知って保護したら」処罰の対象になるということですね。
なので不法滞在者を働かせていた企業も、捜査の結果、テロリスト支援のための拠点提供者だった場合は・・・・ってなりそうですね。
今の犯罪は非常に高度かつ組織的になっており、フロント企業という表向きまじめな会社を経営している犯罪組織もあります。
 
確かに日本は他国に比べて「自国の法律の理解度」は低いと言われておりますが
だからこそ弁護士とか影響力がある人はミスリードするような抽象的なこういう記事の書き方はしてほしくはないですね。それともどうせ一般国民はわからないだろうとたかをくくって抽象的にして逃げ道を作っているのか・・・・?