アリス商店

アリスの雑記帳

戦争と血盟戦の勝敗

戦争が政治戦略の1手段とすれば、当然に血盟戦も血盟戦略の1手段と考えれば

本来「血盟戦の勝敗」などを言うものは無意味なのかもしれません。

 

各国の軍事教範に共通というか、各国の軍事教範はフラーの戦術原則から来てるのでだいたい共通していて当たり前なのですが、「戦勝」に戦闘結果は重要視されていません。

多くの場合は「目標」の「達成」で勝敗が決められます。

 

攻撃側は基本的に地域(緊要地形)が目標とされており、達成とは占領を意味します。

要はいかなる犠牲を支払おうと最終的にその地域を奪取したかどうか、が勝敗を意味するということです。

これは旧軍でいえば旅順要塞攻略が最たるものでしょう、

(ちなみに戦略はロシア軍の侵攻排除で、その最終目標は奉天を奪取です)

203高地奪取に2万人の損耗を出していますが、最終的に奪取して旅順港攻略に成功しており、実際にこの一連の戦争は勝利とされています。

2万人の被害を問う軍事評論家は皆無です。

 

伝統的に日本は質を重視しており確かに時間をかければ少ない損耗で

ロシア軍に被害を与えれたでしょう。

しかし当時のロシアは日本の10倍の兵力であり、これが援軍に駆けつければ旅順攻略は不可能です。

つまり目標が奉天攻略である以上、どのように良く戦っても戦争では敗北となります。

血盟戦でも同じくいくら戦績でプラスになろうと終了したらその時点では軍事学としては敗北となります。

そういえば銀英でも同盟軍のイゼルローン攻略失敗の際に「帝国軍に対等以上に戦ったという自己満足」とナレーションで皮肉られていましたね。

 

逆に防御側の勝利とは何か?となると、実はこれも共通で

「敵の企図を破砕」です。

 

つまり当時のロシアにとっては中国・朝鮮半島における支配権を喪失しなければ大日本帝国に勝利することになります。

陸の拠点奉天、海の拠点(太平洋進出)の旅順を守れれば勝利です。

 

血盟戦でもそれは同じです。

良く言いますが、攻撃側はその目標達成のために防御側を倒すことは必須ですが

防御側は攻撃側を倒すことは必須ではありません。

過去の戦史でも、戦力上不利ながら別動隊や策略を用いて

敵の補給路を遮断したり、重要部隊を撃破して敵に撤退を強要した例はいくらでもあります。

桶狭間の戦いも同じです、大将を討ち取りましたが、

その時点では織田軍は多くの砦と人員を損耗しており、

数値上は何一つ勝利を得ていませんが、今川軍の侵攻を阻止したという「企図の破砕」を達成しており、軍事上勝利と位置付けられています。

 

この観点でいえばリンドで行われたFF血盟とAH血盟の血盟戦は

それこそ勝敗を簡単に言うべきではないというところでしょう。

まず攻撃側のAH血盟の戦略目標は「FF血盟にSN血盟同様の出血を支払わせる」というもので、その点において非常に特異な戦略目標です。

またその戦略目標に対する戦術は徹底されたものでした。

つまりこの戦略目標からすると

 

「AH血盟が100の被害を受けて、FF血盟に1の被害を与える」

は戦術的勝利であり

「AH血盟が100の利益を得て、FF血盟が1の利益を得ること」

は戦術的敗北だということです。

 

ただ私の考えでは「既に戦略目標を達成しており、新たな戦略目標がないAHはこれ以上戦う理由がない」と説得し、停戦の流れはおかしいことではないと言っています。

私の提案で賠償金額が大きく低下してもそれほど関心がなかったのは

NoA氏がアデナを「もらう気」がなかったからです。

「支払わせる」ことが目的だったので1Aでも問題がないという回答でした。

 

また賠償金額についてはAH血盟は解散しNoA氏も引退を決意していたため

鯖に還元する意向を示していました。

その分配役を私に求められましたが、これについては私は拒否しています。

当方の目的はリンドビオルの活性化であり、

私はAH血盟、FF血盟双方の消耗を望んでいないこと、

アデナは双方の戦力と名誉の回復のために使用されるべきであり、

血盟戦によって周りに迷惑をかけたお詫びという意味で分配イベントをすることは

賛同するがAH血盟、FF血盟両名の連名によって行うことが最良であり

それならば財団からむしろ祝福金を出すことも吝かではない、と。

まぁ当然に難色は示されましたが私の個人的な希望なので聞く理由はないですけどね。

 

いずれにせよ、両者のリンドでの血盟戦は事実上終了したものの、勝敗をつけるべきではないでしょう。

ケリは当事者同士でつけるべきですから。