軍事的には情報というものは「情報資料」「情報処理」「情報」の3段階に分けられます。
情報資料は事実そのままのものを言います。
情報資料は基本は斥候、情報小隊(IntPt)が収集します。
一般用語でいえば「ソース」というやつですね
次に収集された情報資料は情報部に送られて処理されます(情報処理)
そこで出された結論が情報となります。
以上のとおり、情報の正確さは情報処理能力に大きく左右されます。
軍では当然専門の人材が配置されていますし、斥候は情報処理を行いません。
一般の広告・出版社でいえば、記者に記事を書く権限を与えていないようなものです。
集めるだけが任務であり、先入観を排除するために情報処理機関が別に存在するというところですね。
情報参謀は参謀としては作戦参謀についでNo2となりますが
情報参謀の出した情報に基づいて作戦は立てられます。
例えばある時、指揮所に「敵主力が前進中」という報が入ったとします。
子幕僚クラスであれば、あわてふためいて対策を講じようとするでしょうけど
もし見識ある指揮官ならすかさず「どこの情報だ!」と怒るでしょう。
なぜなら「敵主力」と「情報化」されているからです。
出元を調べてみれば前線の分隊長だったとします。
さて「情報」を聞いた場合は「情報の信頼度と正確度」及び「目的」を調べなければなりません。
まず分隊長は味方です、よって信頼度は充分です。
その目的は我が軍の勝利への貢献のための提供であることは疑いようがありません。
しかし正確度は不明です。
さて更に内部を聞けば「1コ小隊規模の人員」が攻めてきただったとします。
ここで大分正確度が怪しくなります。
強化された1個中隊は3~5個小隊、予備で1個小隊を保持すると考えれば
正面に向けれる戦力は2~4個小隊、分隊レベルではなく小隊でまとまっているならば主力である可能性は無きにしもありません。
しかし、歩兵以外であれば、対戦・工兵・軽迫小隊も存在するため頭数だけなら8~10個小隊いるわけですから1個小隊規模の人員だけでは判断は早急となります。
結果として障害処理を行っているところから工兵小隊と断定します。
通常、前線に工兵が出てくるということはそこに戦車などの装甲車を通すことを意味します。
結果として主力が来る可能性が高いという結論にはなりましたが、本来流れた情報からはだいぶ違うことになります。
このように「情報という形」で来た場合は必ず疑わなければなりません。
特にニュースを見る場合は、情報処理能力も考察します。
ニュースでは情報処理者として専門家を起用する場合が多いです
(というか普通は情報処理は高度な能力がないと出来ないので当たり前なのですが)
この際に気を付けたいのは「○○に詳しい」「先生」という単語が出てきたときは要注意ですね。
一般人より少しでも知識に優れていれば専門家を名乗れますし、先生という肩書は特に免許や資格は必要ありません。
要は、この手の人が出てきたら情報処理能力を疑わなければなりません。
例えばこのグラフ
さて、このグラフを見てどう思うでしょうか?
なおニュースキャスターは少年・少女の非行化を謳っています。
ぱっと見れば、赤い色10・20代のいわゆる若者世代の比率が大きいように見えますね。
しかし、他は10年区切りなのに、なんで10代20代だけ20年分あるのか
逆に作り方によってはこう作れます。
今後は、まるで結論が逆転してしまいそうなグラフが出来てしまいました。
これが情報処理能力の差になります。
数値は同じなので「同じ情報資料(ソース)」を用いています。
しかしながら、情報処理によっては「全く別の情報(結論)」が生み出されます。
これがニュースなどの「情報化されたものはアテにならない」理由です。
上の例で言えば、情報資料はどこか警視庁あたりから取ってきたとして信用できるものとしましょう。
では情報処理能力はどうか?というと極めて低いと言わざるを得ません。
また若者の犯罪率は年々低下傾向になるという公的機関の見識と逆を行ってるので
確信犯ということです。
情報を流す人間には目的があります、確信犯的にミスリードしているということは
それをして得をする(利益)を得る人がいるということです。
そうすれば、以後、そのマスコミの裏に何があるかというのは想像しやすくなります。
さて軍事的には、そもそも情報資料すら精査しなければならないのでこんな簡単にはいきません。
陽動・偽騙という戦術行為があるように、見たままの情報資料すら疑わなければなりませんからね。
少なくとも詐欺などに引っかからないためにも、情報処理能力を身に付けることはとても大事です。